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木造住宅の劣化対策工事の種類と補助金

 

住宅ストック循環支援事業のエコリフォームの補助金対象となる工事に「木造住宅の劣化対策」があります。要するに「古い木造の家を直す際には補助金を出すよ」ということです。

 

劣化対策工事の種類と補助金

工事種類

補助金額

①小屋裏換気口設置(2ヶ所以上設置)

8,000円

②小屋裏点検口設置

3,000円

③浴室のユニットバス設置

30,000円

④脱衣室の耐水性仕上げ

8,000円

⑤外壁の軸組等及び土台の防腐防蟻措置

20,000円

⑥土間コンクリート打設

120,000円

⑦床下点検口設置

3,000円

《必須》リフォーム瑕疵保険

11,000円

 

ずいぶんとたくさんの項目がありますが、実はこれらのリフォーム…目的はただ一点に絞られます。

 

それは「湿気を排除する」ということです。

 

木の弱点と対策

 

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「木」という素材の弱点=水に弱い

 

「木」という素材は水に弱く、水を含むと腐朽してしまいます。しかし基本性能は高い物を持っています。

  • 耐久性が高い
  • 軽く加工しやすい
  • 一定の剛性があるため住宅の建材として非常に適している

つまり、湿気から守ってあげさえすれば、木造住宅は長く住むことができるということです。適切な状態を保った木造住宅の寿命は80年~100年と言われています。

 

もうわかった方もいると思いますが、住宅ストック循環支援事業の木造住宅の劣化対策は、全て「湿気対策」リフォームです。

《必須》リフォーム瑕疵(かし)保険への加入が前提

 

リフォーム瑕疵保険とは

今回の「木造住宅の劣化対策工事」の補助金を受けるためには「リフォーム瑕疵保険」への加入が必須です。

 

ただしリフォーム瑕疵保険に加入すること自体も補助金の対象となります。補助金として「11,000円」出ますので、負担は軽減されています。

 

瑕疵(かし)ってなに?

瑕疵=キズのこと

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工事が終わった後に発見された「施工不良・欠陥・汚れ・傷」などを「瑕疵(かし)」と言います。

 

もしも瑕疵が発見された場合施工者は、発見されてから一定の期間内(通常の工事であれば1年)は修繕や賠償をしなくてはならないというルールがあります。

 

「瑕疵」は施工直後には発見されず、数年経ってから判明することもあります。

 

工事が終わって数年経ってから「瑕疵」が発見されても、その時に施工した会社が倒産や閉業などで修繕も補償もしてもらえないこともあります。

 

そこで、リフォーム瑕疵保険に加入しておけば、たとえ施工した会社がなくなっても、保険会社が発注者に対して保険金を支払い、「瑕疵」を修復することが可能になります。

 

施工した会社が存続していれば、その会社に保険会社から工事費用が支払われ、消費者に負担なく修復が可能になります。

 

リフォーム瑕疵保険 もう一つのメリット

第三者のチェック

リフォーム瑕疵保険を利用する場合、工事内容のチェックが第三者である国土交通省指定保険法人の建築士により行われます。

 

保険会社にしても、将来何かあった時に保険金を支払わなければならないので、できるだけ「瑕疵」の発生しないキチンとした工事をしてもらわないと困ります。

 

消費者にとっても、工事中に専門の検査員が、工事が手抜きや間違いがなくちゃんと行われているかチェックしてくれるので安心です。

 

特に今回の「木造住宅の劣化対策工事」は大規模で、金額の張る工事が多いため「リフォームかし保険」への加入が必須になっています。

 

①小屋裏換気口設置工事

小屋裏換気口とは

小屋裏換気口とは「小屋裏(屋根裏のこと。2階建てであれば2階の天井裏)にたまった熱い空気を外に排出するための出入り口」のことです。

  • 小屋裏の外壁
  • 屋根の軒下
  • 屋根の棟(屋根の頂上部)

などに設置する方法があります。

 

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小屋裏換気口がないと何が起こるのか?

 

それは「腐朽」です。

 

昔の木造住宅の場合、この小屋裏換気口が設置されていない場合があります。

 

夏場

小屋裏の気温は太陽の熱により60℃~70℃にまで上がります。高温の空気は大量の水分を含んでいるため、夜になって気温が下がると結露を起こし、小屋裏に水が溜まることがあります。

 

冬場

2階の湿気と暖気が天井裏に上がり、小屋裏に暖かく湿気を帯びた空気が溜まり、冬の外気で冷たくなった屋根裏で結露を起こします。これが2階の天井に染みとなって出てくることがあります。

 

この結露による水が木を腐らせます。

 

小屋裏換気口の効果

小屋裏換気口を設けることで空気の流れができて、湿気は外に排出されます。空気の流れを作るには出口と入り口があると効率が良いので、補助金の条件が「2ヶ所以上設置」となるのはそのためです。

 

効果的に小屋裏の換気を行うためには、屋根裏の面積に対する換気口の大きさの比率や、個数など細かな規定がありますが、小屋裏換気の設置計画に関してはリフォーム会社に任せるのが無難かもしれません。

 

リフォームのヒント

 

小屋裏が高温になると2階居室も暑くなり、居住性が低下します。換気口と併せて断熱材を天井裏に入れるとさらに効果が高まります。

 

エコリフォームの補助金対象工事「外壁・屋根・天井・床の断熱改修工事」と併せて小屋裏の換気口設置工事を行うのがおすすめです。

②小屋裏点検口&⑦床下点検口の設置

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小屋裏と床下は建物の健康状態が如実に現れる場所です。どちらも床の下・天井の裏側と、普段は隠れて見えない場所ですが、この中を観察することで建物の健康状態を把握することができます。

 

小屋裏や床下は乾燥している状態が正常です。湿気があったり、かび臭かったりすると何か異変が起きているのかもしれません。

 

定期的に建物の健康状態に異常はないか検査することが大切です。

 

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検査はリフォーム会社に依頼すればよいのですが、そもそも点検口がないと始まりません。床下点検口の設置はそれほどむずかしい工事ではありません。1~2時間程度終わります。

 

建物を長く健康で保たせるために点検口は重要です。

③浴室のユニットバス設置

在来浴室の弱点

 

「床下の湿気」

 

在来の浴室
コンクリートやブロックで壁や床を作り、タイルで仕上げをした昔ながらの浴室のこと

在来浴室は長い年月が経つと、床下にある木部・土台・柱などが腐っていることがよくあります。

 

在来の浴室はモルタルで床や壁を下地にしているので、経年劣化により見えないヒビや割れ目から水が漏れて、その下にある土台などの木部を腐らせます。

 

また、最悪の場合シロアリ被害が発生していることもあります。シロアリは湿り気が多く暖かい場所を好むので、まさにお風呂の下はシロアリにとって天国と言えます。

 

この在来浴室をユニットバスに交換すると補助金がもらえます。

 

ユニットバスが劣化対策になる理由

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ユニットバスはコンクリートで固めた土間の上に設置しますが、浴室全体がスキマのない箱になっているので、強力な力を故意にかけない限りヒビが入るということはありません。

 

ヒビが入らなければ水が床下に漏れ出すことがないので、劣化を防ぐことになります。

 

また、コンクリートの土間とユニットバスの間には空気層を設けているので、きちんと通気もとれるようになっています。小屋裏換気の章でも説明しましたように、建物にとって「通気」というのはとても大事です。

 

リフォームのヒント

 

ユニットバスの設置工事は既存の浴室を解体して、新たに地面にコンクリートを流して固めてユニットバスを設置できる状態にします。(土間コン打設と言います。)

 

後述の「土間コンクリート打設」工事と併せて行うと、効率的です。

④脱衣室の耐水性仕上げ

脱衣室の床や壁を、水に強い仕上げにすると補助金が得られます。

 

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例えば

  • 壁の仕上げをビニールクロスに変更する
  • 床をフロアシートや耐水フローリングなど変更する

などです。

 

脱衣室は湿気がこもったり水滴が飛び散ったりと、気づかない内に水で痛みやすい場所です。耐水性を高めることで建物の劣化対策に有効です。

⑤外壁の軸組等及び土台の防腐防蟻措置

防腐防蟻処理をする場所

 

地面からの高さ1m以内の部分の内、外壁の軸組(※)・枠組み・土台など…いわば建物の骨格にあたる重要な部分について、防腐・防蟻処理を行うと補助金を得られます。

(※)外壁の軸組とは

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  • 外壁部の柱
  • 間柱
  • 筋交い(合板)
  • 下地材(胴縁を含む)

などが含まれます。

 

防腐・防蟻処理の方法

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防腐・防蟻処理は、床下点検口から地面の下に入って実施することができます。台所に床収納庫が設置されていると、これが床下点検口も兼ねていることがあります。

 

通常は1箇所の点検口から、1階床全体に移動できるように床下は施工されています。万が一、床下点検口がない場合は新たに設置します。

 

リフォームのヒント

 

床下に潜って工事も可能ですが、後述の「土間コンクリート打設工事」を行う時に床全体をはがすので、この時に実施すると効率的です。

⑥土間コンクリート打設

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古い住宅の場合、床下が土のままというのがよくあります。実は地面から上がってくる水蒸気は大量で、長年の内に建物にとって重要な土台や根太を蝕んでいきます。

 

湿気をシャットアウトするにはコンクリートを打つことが効果的です。ビニールシートなどで覆うという方法もありますが、やはり時間が経つと劣化し裂けることもあるので、コンクリートがおすすめです。

 

併せて重要なのは床下の換気口を適所に設けることです。通気をとることで湿気を外に出すことができます。

 

リフォームのヒント

 

土間コンクリートの打設工事は、床を剥がしてコンクリートを床下に流して水平にならします。コンクリートがある程度乾燥してから新しく床を組みます。

 

大規模な工事になるので、耐震補強工事や、外壁・内部の改修工事などのタイミングで行うと効率的です。

リフォーム業者選定におすすめの一括見積もりサイト

 

このような古い住宅のリフォームには、熟練した経験が必要となることが多いものです。ちゃんと家の仕組みを理解していない業者に頼んでしまったら「ドアが閉まらない」「床が傾いている」など、多くの不具合に見舞われる可能性があります。

 

当然、そんなことになれば正常な状態に直してくれればいいですが、そんな施工をする会社です。言い逃れしたり、最悪音信不通に…なんてこともありえます。

 

そうならないためにも、第三者機関である一括見積もりサイト(登録するには厳しい審査があり、まっとうではない会社は登録できない仕組みとなっています)を利用して、優良業者だけに見積もり依頼をし、そこで最低でも3社以上を比較・検討した上で業者を決めるのが、現段階では最良な手段と断言できます。

 

 

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