リフォームとリノベーションの違いは?
リフォーム
古くなった物件やそのままでは住めないような物件を、新築同様の状態に戻す工事のこと
リノベーション
中古の物件に大がかりな工事や手を加えて、新築の状態よりもさらに良いものにする工事のこと
リフォームとリノベーションの工事内容の違い
- 「システムキッチンや壁紙の張り替えなどの工事」…リフォーム
- 「間取りの変更・排水管の位置の変更などの工事」…リノベーション
リフォームとは一般的に、古くなった建物や物件やある特定の箇所を新築時の状態に戻す工事のことを指します。比較的規模の小さい工事のことを指し、数日間~数週間で仕上がるものが大半です。
相場費用も工事の内容や、商品のグレード、リフォーム業者などによって様々ですが、10万円前後~70万円前後でできてしまうものが大半です。
リフォーム工事例
・経年劣化でお風呂が古くなってしまった場合に新しいユニットバスに交換をする
・和式タイプのトイレを洋式タイプのトイレに交換する
・リビングの壁紙を新しいものに張り替える
・システムキッチンを新しいものに交換する
一方、リノベーションは既存のものよりもさらに価値が高くなるようにグレードアップさせる工事のことを指します。
そのため、工事規模は比較的大きくなり、工事の内容や工事規模によっては数週間から数ヶ月かかる場合もあります。
そのため、リノベーションにかかる費用の相場はリフォーム費用相場よりも高く、工事の内容や規模などにもよりますが、大体100万円から1000万円前後が相場です。
リノベーション工事例
・和室2部屋の壁をぶち抜いて洋室1部屋に間取りを変更する
・壁付けのキッチンを造作壁を作ってカウンタータイプのキッチンの変更する
・リビングのフローリングの下に床暖房を設置する
・床板の合板フローリングを剥がして無垢の床板に張り替える
このように、同じような言葉でもそれぞれ少しずつ意味が違っています。自分たちの希望している工事が「リフォーム」なのか「リノベーション」なのか、考えながら大工さんに希望工事内容を相談しましょう。
リフォームとリノベーションのメリット
- リフォームのメリット…「必要な所のみの工事のため、コストを抑えることができる」
- リノベーションのメリット…「自由な間取りや内装に、コストを抑えながらすることができる」
リフォームの3つのメリット
リフォーム工事は老朽化が進んでいるところのみの工事のため、工事費用を比較的抑えることができ、高額な費用の支払いなどに困らずに済みます。
新築の自由設計などはどうしても決めなければならないところが多すぎて、1つ1つのデザインや機能などをゆっくりと吟味しながら選ぶことはどうしても難しくなってしまいます。
しかし、1カ所や数カ所のみのリフォーム工事であれば決めなければならない箇所は限られているため、時間をかけて選ぶことができるのが大きな魅力です。
リフォーム工事は必要に応じて1カ所ずつ順番に工事することができるので、老朽化が気になるところから順番に取り掛かることができます。
そのため、少しずつ順番に家の中がきれいになっていくことを楽しみながら生活をすることができます。
どうしても、建物全てを新しくしようと思うと多額のお金と労力が必要になってしまいます。
しかし、必要なところのみの工事をすることで、費用は最小限に抑えることができる上、じっくりとどのようなデザインやタイプのものにしようかと悩むことができます。
リノベーションの3つのメリット
リノベーションの場合大規模な工事をすることができるので、比較的施主の希望通りの間取りに変更することができたり、自由なデザインの内装に仕上げたりすることができます。
自分たちの生活スタイルにぴったり合った間取りのものに変更することも可能です。
新築物件であると、建物代も必要になるため、どうしても費用が高くついてしまいます。そのため、どうしても駅の近くや利便性の高い立地の物件を購入することが難しくなってしまいます。
しかし、リノベーションをするための中古物件も物件探しの視野に入れると、物件購入費用を抑えながら新しい物件を次々に見つけ出すことができます。
新築物件を自由設計で建てるとなると、建物の骨組みや基礎や土台を一から作らなければならないため最低でも2000万円前後は必要になってしまいます。
しかし、リノベーションであれば骨組みや基礎などはそのまま既存のものを使うので、大幅に費用の節約をすることができます。
同じ内装に仕上げるのでも、リノベーションの方がはるかに工事費用を抑えることができます。
リフォームとリノベーションのデメリット
- リフォームのデメリット…「リフォームしていない箇所の古さや老朽化が目立ってしまう」
- リノベーションのデメリット…「物件自体の老朽化や耐久性が心配・ローン金利が高くなってしまう可能性がある」
リフォームの2つのデメリット
リフォーム工事が終わるとそれまで目立っていなかった箇所の老朽化が目立ってしまうということがよくあります。
いずれ工事するのに何回にも分けて工事をしていると養生する手間などが増えますし、逆に一度にしてしまえば必要のない経費など無駄な費用も追加でどうしてもかかってしまいます。
そのため、工事をする前に「本当にリフォームをするのはその場所だけの工事で良いのか」ということをしっかりと検討をした上で工事依頼をすることをおすすめします。
大きなシステムキッチンに憧れても台所のスペースが狭かったり、広いユニットバスに憧れていても元のお風呂のスペースサイズが小さければ、希望のものには交換することはできません。
そのため、工事の内容によっては希望通りの工事を実施することが不可能な場合もあります。
カタログばかりを見てどれにしようかと悩むのではなく、実際に大工さんに下見に来てもらい寸法などを図ってもらい可能な工事内容がどれなのかをまずはしっかりと確認するようにしましょう。
そして、モデルルームやショールームなどに実際に足を運んで「どのタイプのものに交換したいのか?」家の中をしっかりとイメージしながらじっくりと検討するようにしましょう。
リノベーションの2つのデメリット
リノベーションは比較的費用を抑えながら自由な間取りに変更できるということもあって、最近人気を集めています。
しかし、リノベーションをする前の物件は中古物件の場合が大半です。そのため、その建物の老朽化や耐久性などについて心配な面もあるのが現状です。
中古物件を購入しリノベーションを考えている場合は、まずは専門のスタッフに住宅が健康状態であるのかを診断してもらうことをおすすめします。
万が一工事を進めていく中で、予想外の老朽化が見られて別途予想外の工事が必要になる場合もあります。
そのような事態へとならないためにも、事前に住宅が健康であるのかしっかりとした診断を受けた上で安心できる物件を購入するようにしましょう。
新築物件を購入したり、自由設計で建てたときに利用することのできる住宅ローンが、リノベーション工事費用の場合適用されない場合がよくあります。
リノベーションをしたときに適用されるリノベーションローンは、比較的金利が高いものが多いため、高い金利でローンを組まなければならなくなります。
銀行によっては、リノベーションにかかった費用も住宅ローンとして物件購入費用と一緒にローンを組むことができる場合もあります。
そのため、リノベーションをする予定で中古物件を購入する場合は、合算してローンを組むことができる銀行はどこなのかなどしっかりと事前に調べた上で、ローンの契約をするようにしましょう。
いくら低金利の時代とは言え、少しでも無駄な出費は押さえたいものです。お得にローンを組むことができるように、事前調査をしっかりとするようにしましょう。
リフォームとリノベーションの言葉の意味
- リフォームとは「悪い状態からの改良」という言葉の意味
- リノベーションとは「修復、刷新、革新」という言葉の意味
リフォームとリノベーションは、英語でどちらも最近よく耳にする言葉で、同じような意味で使われる場合がよくあります。
確かにどちらも古いものや壊れているものを、新しいものに工事をしたり交換したりする際に使われる言葉です。
しかし、実はそれぞれに少しずつ違ったニュアンスが含まれています。自分たちはこれから「リフォーム」を行いたいのか、それとも「リノベーション」を行いたいのか、言葉の意味を考えながら検討するようにしてください。
リフォームの言葉の意味
・壊れていたり汚れていたりするところを、以前のきれいだったときのものに原状回復する
・老朽化しているところを、新しくしたりきれいにしたりする
・マイナスの状態のものを、ゼロの状態に戻す作業
リノベーションの言葉の意味
・現代的なデザイン性の高いものに変更する
・現代の生活スタイルに合わせたタイプのものに交換をする
・マイナスやゼロの状態のものをプラスに変える作業
このように、同じような内容でも少しずつ違ったニュアンスが含まれているのがこの2つの言葉の特徴です。「マイナスの状態から工事を経てどのようにしたいのか」というところが大きなポイントです。